私たちのナラティブ
心に残ったエピソード
当事業所に異動し3年目に入りました。現在の地域は、居宅介護支援事業所、訪問介護事業所の数が少なく驚きました。介護保険では市区町村が保険者であり、サービスとして掲げられていても支援者不足で利用できないものがあります。その中でも介護保険制度を利用しつつ在宅生活を続けるNさんをご紹介します。
N氏94歳 男性 息子さんと2人暮らし。2年前に妻が他界しています。
昨年、誤嚥性肺炎で入院しました。不顕性誤嚥と診断され、経口摂取は困難と言われました。息子さんは「食べさせてあげたい」という気持ちが強く、ヨーグルトやプリンを入院中から食べる練習をしていました。しかし数口食べては吸引が必要となり、誰もが経口摂取は困難だと、施設入所が妥当だと判断されていました。息子さんは、今まで自宅で関わっていたヘルパー、デイサービス、訪問看護師、訪問診療を継続し、慣れ親しんだ人達に介入してもらい、在宅生活に戻してあげたいと希望されました。高齢で、ハイリスクであるのは承知の上で自宅に戻り、息子さんは就労されている為介護との両立が難しいようであれば、施設を検討するという事で退院してきました。
息子さんは、在宅勤務と時短勤務を組み合わせて、就労を続けました。ヘルパー4日/週、3回/日、デイサ–ビス2回/週、訪問看護2回/週、訪問診療2回/月の在宅療養再開となりました。
退院当初は訪問時に痰絡みがあり吸引が必要でした。ヘルパーには口腔ケア用スポンジで、痰をからめとるよう指導しました。少しずつ痰絡みは無くなり、息子さん手作りのミキサートロミ付の食事を完食できるようになりました。発熱や誤嚥もなく、退院して1年が経とうとしています。
住み慣れた家で、息子さんと穏やかな生活を送りたいという利用者さんやご家族の想いを実現できた事を嬉しく思います。これからも利用者さんやご家族の気持ちに寄り添った、在宅でしか味わえない看護を提供していけたらと思っています。
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